「伺う」とは「聞く」「尋ねる/問う」「訪れる」の3つの意味を持つ謙譲語になります。, 「伺う」は、「のぞき見る」意味の「窺う」と同じ語源を持ち、目上の人の様子をそっとうかがい見る意味からきた言葉です。現在では相手にきちんと自分の存在を明らかにして、自分の行動をへりくだっていう敬語になります。, また、「伺う」は相手の話や意見を聞いたり、こちらから相手に何かを尋ねるときや、相手がいるところへ出向く場合にも使います。, ビジネスで使われる語彙として、さらに、日常的に使う敬語としてもかなり基本的な言葉になるので、使い方をきちんと押さえておきましょう。, 「伺う」は謙譲語になり、社外の取引先や顧客、社内の上司のような目上の人に対して使用できます。, 「伺う」が使えるのは、直接対面してや電話越しでの会話、ビジネスメールなどの文書で使うのが一般的です。具体的には、取引先や顧客と会う約束を取りつける際や、上司の元へ向かう際、社内会議や社外の人と面談する際に使ったりします。, 「伺う」は頻繁に使われる敬語のため、使い方に注意すべき点をしっかり押さえて、相手との円滑な関係を築きましょう。, 「伺う」は謙譲語にあたる敬語で、「お伺いさせていただく」「お伺いいたします」「お伺い申し上げる」といった表現は二重敬語になります。, 敬語には主に尊敬語と謙譲語がありますが、同じ種類の敬語を重ねて用いると、くどい印象になるため「二重敬語」を忌避するのが普通です。しかし、「お伺いする」の「する」が一般的な語の「する」の意味とだぶり、丁寧さに欠けるとの印象を持つ人が出てきています。, そのため、これらの表現は現在では頻繁に使われており、明らかに失礼とみなす人も少なくなってきていることから、こういった表現を使用しても特に大きな問題はないでしょう。, 二重敬語は同種の敬語を重ねて使うことで、まわりくどい表現になって敬遠されるため、できるだけ避けるのが賢明です。, もともとが謙譲語の言葉であれば、「いたす」「いただく」を重ねないこと、尊敬語であれば「なる」を重ねないようにすると敬語の誤用が避けられるのではないでしょうか。, 敬語は相手との相対的な関係性により、適切な使い方が決まってきます。例えば、社外の顧客と会っている時に、仕事仲間の社内の人間に敬語を使うと、大切な顧客を自社の人間より低く扱うことになり不適切です。, 顧客や社外の人などと話す際は、たとえ上司であっても仕事仲間にあたる社内の人間に対しては、自分と同様に謙譲語を使い相手と話すように使い方に気をつけましょう。, ビジネスメールで社外の人に自社の人間の動向を伝える場合も、自分と同様に謙譲語を使います。, 例えば、社外の人と「聞く」について表現する場合、「部長の○○が伺うと申しております」という敬語の使い方をします。, たとえ顧客の前に社内では敬語を使う上司と同席していても、このように話すのが正しいです。「○○部長がお聞きになるとおっしゃっています」とするのはその場にそぐわない表現なので注意しましょう。, 「伺う」を「聞く」の意味として使えるのは、直接誰かの話を聞いたときや、特定の物事に対して誰かから伝聞で聞いたとき、噂を耳にしているといった状態を表す際です。, 「聞く」でももちろん意味は通じますが、「伺う」とすることで話し手に敬意を表す丁寧な言い回しになります。「伺う」は相手が話を切り出すときに「お伺いします」と聞く意思があることを伝えたり、例文のように、相手が話した後で「聞いた」という意味で使います。, 「伺う」は何かを聞く際の前置きとして、例文のように「伺いますが」「お伺いしたいのですが」「お伺いしたく」などと使います。, 尋ねた後に「伺う」を使った場合は「聞いた」という意味になるため、文脈によって相手が自発的に話したのか、話者から尋ねたのかを判断しましょう。, 話し手が相手に問うような働きかけをしたかどうかは、「伺う」の語だけでは判断がつきかねる点があります。しかし、「伺う」は相手が話してくれた内容を重視するので特に問題としません。, 「訪れる」の意味で使う「伺う」は、相手先へ訪問の約束をするときや、こちらから先方に向かうことを申し出るときなどに使います。, 相手先に向かっている道中では普通「伺う」を使いません。相手先への訪問が済んだ後にも「伺う」を使えますが、例文のように訪問の約束をする際に使う機会が最も多いでしょう。, 「伺う」は電話で相手と話したり、メールでやり取りするときにもよく使われます。相手の貴重な時間をいただくことになるので、訪問の日にちや時刻もあわせて伝えるようにしましょう。, 「参る」とは話し手が「行く」「来る」行為をへりくだっていう謙譲語です。「伺う」は相手のいるところに行く意味なので、敬意を払う相手の存在がなくては成立しません。, 「参る」の場合は純粋に話し手の行為をへりくだっていう表現なので、敬意を払う人物がいるかどうかは不問です。例をあげるなら、「東京に参ります」と使えても、「東京に伺います」とすると不自然になります。「伺う」は相手の存在を強く意識した言葉ということに留意してください。, 「参る」は、これから目的地に向かうことや行く予定を伝えるとき、ある場所にやって来た後に使います。, 向かっている道中は「参っている」とはしません。「参る」を使うことで、聞き手に敬意を示していることを表すため、非常に丁寧な印象を持たれます。丁寧な話し方をすることで、ビジネスでなくても相手との円滑な関係を築きやすくなるでしょう。, 「窺う」は「伺う」の同音異義語で、同じ語源を持ちますが、類語ではなく全く意味の違う言葉です。「窺う」は「のぞき見る」「こっそり様子を探る」「状況を察する」「機会をじっと待つ」などの意味を持ちます。, 一番目と二番目の意味としてはビジネスで使うことはほとんどないでしょう。「窺う」は常用漢字ではないので多くの人に馴染みがないこともあり、使用する際は「うかがう」としたほうがベターです。いずれにせよ、「伺う」に比べると使用頻度が少ないです。, ビジネスは不確定要素が絡むことが多く、限られた情報をもとに推測や予測を行い、判断することも必要です。「窺う」を使う場面としては以下のようなものが考えられます。, 外部からは窺いしれない他社の内部事情を、販売している製品や受けたサービス、スタッフの様子から推し量って伝えたり、ビジネスチャンスが訪れる機会を窺っていることを報告する際などです。, 「承る」は「引き受ける」という意味でよく使われる「受け賜わる」を由来とする謙譲語です。, ほかにも、「伺う」と同じような「謹んで聞く」「拝聴する」や、「伝え聞く」といった意味も持っています。ビジネスの現場では、不在者に代わって相手の要件や伝言を聞いたり、消息を本人から直接ではなく伝聞で知った場合に使ったりすることが多いです。, 「承る」は何らかの依頼・要請を承諾することも含意するため、「伺う」と違い、何らかの業務を遂行する義務を伴うこともあります。, 「お目にかかる」は「会う」の謙譲語です。「伺う」とはやや意味が異なり、「伺う」のように相手のいるところに出向いて行ったり、相手の話を聞くといった深いかかわりを示唆する意味合いはありません。, 「お目にかかる」は「話し手にとり、なかなか会えない重要人物に会うことができた」意味になり、大きな敬意を持って接しなければならない相手に対して使います。例文のように、相手に会ったときに直接挨拶として謝意とともに使ったり、会いたいとの願望や希望を伝える際に使うことが多いです。, 「拝聴する」は「聞く」の謙譲語で、「拝」には頭を下げて敬礼することや拝むことになり、「謹んで聞く」という意味のかしこまった語です。そのため、“聞く”の意味合いとして言い換えが可能です。, ビジネスで使う場合は目上の人や社外の人の発表や講演、意見などを聞くときに使ったり、聞いた後にお礼の言葉とともに使ったりします。, 「拝聴」に丁寧語の「ます」をつけるだけでじゅうぶん敬意を表せるのですが、ほかの謙譲語と同様に、「いたす」「させていただく」をつけた二重敬語の用法も散見されます。, 「お(ご)~する」は謙譲語の一形式で、「お聞きする」で「聞く」の謙譲語表現になります。, 「伺う」は基本的には相手のいるところに行って「話を聞く/尋ねる」意味になるのに対し、「聞く」は移動を含意せず、ただ「聞く」という動作にのみ焦点を当てた語です。「聞く」という日常でよく使われる平易な語のため、二重敬語の誤用もほぼ聞かれません。, 例えば、相手に「聞かせてほしい」という時に「お聞きさせていただく」というような例は、明らかな誤用として認識されます。, 「お邪魔する」とは「相手のところに行く、訪問する」という意味です。「邪魔」とは妨げになることや物を意味し、「お邪魔」とは「邪魔」をやや茶化した表現で、他人の家を訪問することをいいます。, 日常で使われる「お邪魔する」を、ビジネスでは例文のように訪問先を訪れた際や、訪問先から帰る際の挨拶として使うことがあります。相手との関係性をある程度構築してからでないと慣れ慣れしいと思われるため、初対面の相手やかしこまった場では使用を避けましょう。, 類語の「伺う」の「相手に尋ねる」と同義になり、ただ単に相手の話を聞くのではなく、相手に何かを質問したり、探し求めているものを相手から聞き出すときに使います。「尋」の含意は「尋問」など強く探し求める意味です。, そのため、「お尋ねする」は謙譲語ですが、例文の印象からも感じるように、丁寧さにはやや欠けるきらいがあるのは否めません。自分に「尋ねてほしい」と申し出る場合は別ですが、目上の相手に使うと失礼だと受け取られる恐れもあり、使用は避けたほうが無難です。, 「伺う」には3つの意味があることから、その意味に応じた英単語を各々選択する必要があります。, 比較的平易な単語が多いですが、文脈や使い方次第ではメールやきちんとした場で使うことも可能です。, 「come」は話者が意識している地点に「行く」「来る」という意味で、相手のいる場所を話者が想定している場合は、相手のもとに「行く」「伺う」 となります。, 「伺う」について例文や使い方、類語にいたるまで詳しく解説しました。「伺う」は「聞く」「尋ねる」「行く」の3つの意味を持つ謙譲語で、電話やメールなどでも頻繁に使います。, 移動を表す語でもあるため、顧客など敬語を使うべき相手の前で社内の者に「伺う」を使う誤りがよく起こりがちです。顧客を前にしたら、原則、社内の人間は自分と同じように謙譲語を使うと覚えておきましょう。. 《「窺う」と同語源。目上の人のようすをうかがいみる意から、その動作の相手を敬う謙譲語となる》, 1 「聞く」の謙譲語。拝聴する。お聞きする。「おうわさはかねがね―・っております」, 5 《「御機嫌をうかがう」の意から》寄席などで、客に話をする。また、一般に、大ぜいの人に説明をする。「一席―・う」, ビジネスシーンでよく使われるのは、「1」の聞く、「2」の尋ねる、「3」の訪問する、ですね。メールでも口頭でも使いますが、3つの意味を相手が取り違えないように注意する必要があるでしょう。また、謙譲語なので、基本的には目上の人に使う言葉です。, 2「問う」は、聞き出す意があり、抽象度の高い内容には、多く、この語が用いられる。また、問題として追及する意でも用いられる。, 3「聞く」は、「尋ねる」とほとんど同義。「聞く」の方が普通の言い方で、「尋ねる」の方がやや改まった言い方。「訊く」とも書く。, 「答えを求めて聞く」という共通した意味をもっていますが、「伺う」だけは、目上の人に対して用いるもの。他にも「伺う」の意味にあったように、「訪問する」「訪ねる」「行く」なども類語に含まれます。, 「伺う」は、意味の項でご紹介したとおり、謙譲語です。類語である「行く」「訪問」との違いを見てみましょう。, 「行く」の意味は他にもたくさんありますが、「動く、進む」という意味である「伺う」と同義となるのは、この3つになるでしょう。, こちらも謙譲の意味合いはなく、単に訪ねる、訪れることを意味しています。そもそも名詞です。, 意味や類語がわかったところで、ビジネスシーンで実際にどのように使えるのでしょう。例文を3つご紹介します。, 面接や打ち合わせなどで先方に出向く際に使う表現です。「〇〇の打ち合わせにつきまして、できれば△日の午後に、こちらから伺いたく存じます。」「お問い合わせいただきました件、こちらからご提案に伺いたく存じますが、ご都合はいかがでしょうか」のように使用します。, 一般的に「お伺いいたします」と言われていることが多いですね。しかし「伺う」自体が謙譲語なので、「お(伺い)」や「します」をつけると、過剰に敬語を重ねる表現となってしまうので気を付けましょう。, こちらは「尋ねる」「問う」という意味で使う表現です。「念のため、御社の所在地の住所を伺いたいのですが、よろしいでしょうか」「〇〇様のご意見を伺いたく、お時間をいただきたいのですがよろしいでしょうか」というように使います。, 尋ねたい、問いたいことやものをはっきりと述べることで、「伺う」のもつ「訪問する」や「(話を)聞く」などの意味を切り離すことができます。これが曖昧だと、行き違いが起きる原因になるので注意が必要です。, 「話は聞いています」という意味で使う表現です。「〇〇よりお話は伺っております」「□□様より、再度検討が必要とのことでお話は伺っております」「△△と伺っておりますが、詳細をお聞かせ願えますでしょうか」というように使います。, 「〇〇より~」「□□様より~」は、誰から聞いたのかを明確にするものですが、これは「〇〇さん」「□□様」に敬意を表す表現です。話をする相手にたいして敬意を示したい場合は、単に「お話は伺っております」とするのがベターです。, 主に「聞く」「尋ねる」「訪問する」の3つの意味がある伺う。口頭でなら伝わるものも、メールだとニュアンスで伝わらないことも。メールで行き違いなく「伺う」を使うための注意点を、5つ挙げてみました。, 「〇〇について伺いたいのですが」「ご都合を伺いたく存じます」のように、質問したい内容をはっきりと伝えましょう。他にも、「2点伺いたいのですがよろしいでしょうか」「お伺いしたいことがあります」など、質問をしたいという意志を伝えるのも良いでしょう。, 文章の流れで「伺う」が使いづらいときは「ご教示いただければと存じます」や、「お聞きしたい」「確認させていただきたい」等と言い換えるのもアリです。, 「〇日に伺いたく存じます」「早めに会場に伺うようにいたします」「△時にお伺いしてもよろしいでしょうか」のように、「いつ」や「どこに」という「行くタイミング」「行く場所」をしっかりと明記するようにしましょう。, また、「伺う」を使うのは、相手を訪問する場合です。例えば旅行などでどこかへ行く場合は、「来週〇〇に参ります」となります。, 「〇〇様にお伺いしている件につきまして~」「〇〇につきまして△△と伺っております」のように、「話を聞いている/聞きました」ということがわかるように記載する必要があります。, 何度も解説しているとおり、「伺う」は謙譲語なので、このとき話を「伺った」のは自分です。相手が話を聞いている場合は「お聞きになっているかと存じます」等となります。, 謙譲語である「伺う」は、使い方を間違えると自分や自社の人間を敬う表現になってしまうことがあります。相手の名前と併せて書くときは、特に注意が必要です。, 伺う=尋ねる、訪ねる、聞くのは自分。「貴社の〇〇様より伺いました件~」は相手方を敬う表現なので適切ですが、「弊社の△△より伺っております」では、自社の人を敬うことになってしまい不適切でな表現になります。また、やりとりする相手に敬意を表す場合は単に「伺っておりますとおり~」等とすると良いでしょう。, 「伺う」はそもそもが謙譲語。なので、それだけでも十分に丁寧な表現です。それを、目上の人を意識して、ていねいさばかりを重視し「お伺いさせていただきます」とすると二重敬語となり、文章自体が正しくなってしまいます。, 口頭ではさらっと使われることもありますが、文面ではすっきりとした形にまとめたほうがスマートと言えるでしょう。, 使われているのはよく見聞きするけど、なんとなくややこしかった「伺う」という言葉。相手への丁寧さと、日本語としての正しさのバランスが大切です。使い方に迷ったら、この記事を参考にスマートに活用してみてくださいね。, ライターや記事ディレクターなど、幅広く文章業を営んでいる。2019年に『ドミノ倒れ』『かぼちゃの馬車のクレームブリュレ』を同時刊行して小説家デビュー。.

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