山田 玲 音楽なんて聞こえればそれでいい・・でも音にこだわる人にとって「音像定位」「解像度」は気になるスペック。この2つが備わっていると、その場に奏者がいるかのような錯覚を覚える。音像定位と解像度は、どこから来るのだろう。, 図1のように、左右2つのスピーカーの真ん中(RPの位置)に座って、左右から同じ音量の音を出す(音の大きさの比率を、左:右=1:1とする)と、スピーカーではなくスピーカーの中央の何もない空間に音源が浮んで聞こえる。それが「音像」。, 左のみ音が出ている場合、当然左のスピーカーが音源として意識される(左:右=1:0)。左右に音量差がある場合、例えば(左:右=2:1)の場合は、中央からやや左寄りにその音像を意識させる。, これによって、音楽に含まれるボーカルや楽器類などの音源を、2つのスピーカーの間の任意の位置にイメージさせることができる(音楽制作では、ミキシング作業の中でこの配置が行われる)。, 奥行方向の音源位置は、RP(リスニングポジションから音源までの距離を半径とする円弧上(図1)に定位すると考えられる。正面から見ると、2つのスピーカーのやや奥になる。, ボーカル再生の理想は、スピーカーを正面から見て、中央やや奥の位置(図1の赤いポイント)に、針先のように定位することになると考えられる。, ところが実際の音像は、上下に拡散したり、2台のスピーカーの外側に広がったり、前に飛び出したり、ボヤけてはっきりしない場合が多い。図2はそんな音像イメージの例。, 中高域のレベルが相対的に高い DOI:10.14931/bsd.7583 原稿受付日:2018年3月7日 原稿完成日:2018年10月24日 →音像が前に張り出す。女性ボーカルなでこの現象が出やすい。, 上下2つ以上のユニットから同じ音域の音が出ている※ 音源定位は主に、音源の位置によって左右の耳に生じる音情報の僅かな差を使って行われる。代表的なものは音の到達時間および強度の違いであり、それぞれ両耳間時差(interaural time difference: ITD)、両耳間音圧差(interaural level difference: ILD)と呼ばれる(図1)。 1.リスニングルームの設計と製作例―良い音へのアプローチとそのテクニック 1991 加銅 鉄平著 P175, <関連記事> 6.TOUR-X(TX1152)は最強のスピーカーか!?~家庭で使えるSR(PA)スピーカーの選び方 7.振幅と位相制御における音像定位の研究, TOUR-X(TX1152)は最強のスピーカーか!?~家庭で使えるSR(PA)スピーカーの選び方, 小さい部屋に大きなスピーカーはなぜダメなのか~ルームチューニングでオーディオの音を劇的に良くする. 7.小さい部屋に大きなスピーカーはなぜダメなのか~ルームチューニングでオーディオの音を劇的に良くする, <参考文献> モノラル(中央1チャンネル)で聴くのと ☆定位マジック (パニングマジックぱないですマジックw) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 スピーカー1つで聴くときと. →音像イメージが上下に長細くなる, クロスオーバー ドラムとマイクの間には距離ができます。この距離も「奥行き感」の一つと言えます。 奥行き感をつけ� →音像が左右に偏る。反射音のほか、アンプやプレーヤーに原因がある[2]場合もある。, このような不自然な音像定位は結局のところ、左右の耳に届く音の位相差やレベル差が原因。但し、※印のついた項目はスピーカーから離れることで改善する。, 女性ボーカルが良好な音像を得やすいのは、小口径のユニットから出た中高域が主体のため(音源が小さく定在波などの影響をうけにくい)。, 注意しておきたいことがある。音像定位が問題視されるのはスピーカーのセンターで聴く場合に限られること。音像定位は音の良し悪しの根本ではないことから、それほど気にしなくても良いとする意見もある[1]。, ウーファー、スコーカー、ツイータなど多くのユニットを使ったマルチウェイスピーカーの近くでは音像イメージが大きくなり良好な定位が得られないことは容易に想像つく。ではどのくらい離れた良いのか。, 下のグラフは当館の経験から導いた距離の目安で、線上では見かけの大きさが同じになる。たくさんのユニットを使った大型スピーカーでも、十分離れてしまえば小型スピーカーと同じ定位が期待できるようになる。, グラフ上の部屋のサイズは団地間。部屋の長手方向の距離Lとし、スピーカーの後方にL/8、自分の後方にL/4[7]の距離を確保した残りの距離(長手方向の1/1.6)を示している。団地間12畳だと音源サイズ0.5mが良好な音像定位が得られる上限になる。, 基本的に離れるほど点音源に近くなって音像定位が向上するが、小口径のスピーカーは離れると低音が拡散して低音不足になるためニアフィールドが適している。, 12畳未満の部屋で十分な低音再生を望む場合、大口径のSPを入れるより、小型SPにサブウーファーを組み合わせた方が音像定位と低音再生を両立させやすい。, サラウンドでは、意図的に位相差を加えることでスピーカーの外側や後方に音源があるように感じさせている。音楽ソースでも意図的に位相を細工しこのような特殊効果を出すことがある。, そうでもないのにこのような結果になる場合は、定位を悪くしている音の位相差を脳が都合の良い方向に解釈した結果にすぎないのかもしれない。, 性能の良いスピーカーで聴くと、普段気付かなかった音に気付くことがある。小さな音だが、音源として確かに存在し、他の音と分離して聞こえる。, つまり解像度の劣化は、振動板の反応、過渡応答、より大きな音に埋もれることなどで生じる情報のロス(損失)によって生じる。, スピーカーから離れて聞くより、ニアフィールドで聴いたり、ヘッドホンで聴いた方が解像度が高く感じられるのは、音源が耳に近づくことで情報のロスが減るためである。, 良好な音像定位は同軸型スピーカーで得やすい。しかし構造上の制約が多く、特性にアバレが出やすいなどの問題がある。同軸でもカーオーディオによくみる「コアキシャル型」は良好な特性を得ることが難しいようだ。, 解像度は能率の高いスピーカーを選ぶ[3]ことで得やすい。これは振動板が軽く、応答に優れるため。, タンノイの同軸2wayの構造。ホーンツイーターが同軸に配置され、そのカーブがウーファーのコーンとスムースに接続される。私は学生のころアーデン(かバークレイ)を聴いて、その明確な音像定位に驚いた経験がある。, 1980年代、平面型が流行るとパイオニアやテクニクスなどが平面型の同軸スピーカーを作っていた。中でもパイオニアのS-F1(40cm 4Way)が記憶に残る。, 耳の穴に挿して使うカナル型イヤホン[4]は音像定位と解像度を両立できる唯一の解とみられる。但し音像イメージは頭の中に展開する不自然さががあり課題になっている。, これを信号処理などで無理やり外に定位させる(頭外定位という)試みがある。昔、アンビエンスコントローラー※というものがあった。今も発展途上にある[5]。, ※:テクニクス SH-3040 ,SH-3045(1977年頃)が最初だったように思う。, みかけ上同軸音源を実現するバーチカルツイン。音源が上下に大きく分散するので、かなり距離をとらないと想定した効果を得にくいようだった。, 音像定位を求めて同軸を求めなくても、距離に応じた適切なサイズのスピーカーを選ぶか、スピーカーが大きい場合は離れる(みかけの音源が小さくなる)ことである程度満足いく結果を得ることが多い。, 結局同軸型のメリットは、「近距離でも良好な音像定位が得られる」ことのようだ。距離をとらないと見かけ上同軸にならないバーチカルツインは、あまり意味の無い構成といえる。, 私は昔、その音像定位の良さからタンノイにあこがれたが、現在は応答性を優先して口径30cm高能率SR+大出力サブウーファーの組み合わせがHi-Fi的に満足いく解の一つと考えている[6]。, <関連商品> 4.ヘッドホン イヤホンの選び方~密閉タイプでHi-Fi再生は望めない 図1のように、左右2つのスピーカーの真ん中(RPの位置)に座って、左右から同じ音量の音を出す(音の大きさの比率を、左:右=1:1とする)と、スピーカーではなくスピーカーの中央の何もない空間に音源が浮んで聞こえる。それが「音像」。 これは人間の脳がそう解釈するためと言われる。 左のみ音が出ている場合、当然左のスピーカーが音源として意識される(左:右=1:0)。左右に音量差がある場合、例えば(左:右=2:1)の場合は、中央からやや左寄りにその音像を意識させる。 これ … →クロスオーバー付近は2つのユニットから同じ周波数の音が位相の異なる形で出る。ユニットが上下に離れていれば、音像イメージが上下にボヤける。, 左右の音量に差がある NECは、独自の音響定位技術やAR(拡張現実)技術を活用し、観光地や各種施設において専用イヤホンやスマートフォンを通じてリアルとバーチャルを融合させた空間を演出する「空間音響MR™(Mixed Reality)」サービスを実現するためのプラットフォームを構築しました。 ゴン川野:音場とは、音楽が聴こえてくる空間のことです。まず、ボーカルとか楽器の音が、その場所に楽器があるかのように再生される様を音像と呼びます。, オーディオの世界では、スピーカー・ユニットから音が聴こえないほうがいいとされています。理想は、2本のスピーカーの存在が消えて、眼前にオーケストラが出現。本物のオケの楽器の配置と距離感で音が出ることです。, その理想を実現するために、マニアは没頭しているのですよ。次に、楽器の音像の位置を音像定位と言います。音像定位がいいとか悪いとか言うのは、再生されている楽器の大きさ、形状、前後左右の位置が正しいかどうかで判断しています。, いえいえ、音場感を追求すると、左右の音の広がりだけでなく、前後、そして高さ方向まで再現できます。一般的に音場は、左右のスピーカーの間に生まれます。条件によってはスピーカーの外側まで音場が広がることがあり、これは広々とした音場になります。, オーディオマニアが広いリスニングルームを作りたがるのは、壁や天井などの影響を避けるためと、広い音場を得るためです。これに対して、小さなデスクトップシステムは、すぐ目の前にミニチュアのオーケストラが出現すると表現されます。, そうですね、音場感はAV再生においても重要視され、SFやアクション映画を見るときに、後ろから前に銃弾が飛んだり、宇宙船が移動したり、派手な爆発があったりした場合のリアリティを高めてくれます。これを実現するためにドルビーサラウンドという技術が生まれ、再生する信号の数も5.1chに増やして、映画館では観客を包み込むように複数のスピーカーを配置しています。, そうとも言えませんよ。シンセサイザーのような電子楽器が生まれ、スタジオで音をリミックスできるようになってからは、2chでも好きな位置に音を配置できます。これを再現するために5.1chで録音するミュージシャンもいますが、2chでも位相情報がきちんと録音再生できれば、天井近くや後方から音が出たように聴こえます。これは情報量が増えたハイレゾ音源で再生できる可能性が一層高まりました。, 羽田空港に出現した正六面体カドから現れた! ってそれはイホウ存在ですね…。位相とは、音の波形の位置を角度で表現したものです。まあ、カンタンに言えば、音の出るタイミングが合っているかどうかということです。, 音波の周期の位置を表したものが位相。オレンジの線は空気が圧縮され、青は膨張している。正相と逆相の波がぶつかると プラスマイナスゼロで音が消える。これがノイズキャンセリングの原理。, 厳密に言えばそうとも言い切れませんが、一般的には、ユニットが1個しかないフルレンジスピーカーはもっとも位相のズレが少ないとされています。2way、3wayとユニットの数が増えれば位相のズレが問題になってきます。この話はまた次回に。, もちろん、アニソンにも音場はあります。むしろ劇伴(映画などの劇中音楽)の場合は5.1ch録音されているので、前後・左右・上下に音が飛び交うこともあります。これを2chのステレオスピーカーで再現することは、難しいですが、不可能ではありません。, そうですね、音の三大要素に、音の高低、大小、そして音色があります。音の高低は周波数帯域で現され、広いときはワイドレンジと評価されます。音の大小はダイナミックレンジで、小さい音から大きい音までの差が大きいときは、ダイナミックレンジが広いと言います。音色は、音程が同じ音でも、楽器によって聴こえ方が違う様子を示しています。波形は似ていても、人間の耳には全く違った音に聴こえます。, それとは別の表現で、音色がホット、ウォーム、クールなど表現されることもあります。コンポに固有の音色があるよりニュートラルなほうがいいのですが、個性的な音色のスピーカーやアンプにも魅力があり、人はそこに惹きつけられてしまいます。これに対して、音質はいいか悪いかだけで、その基準は多くの場合、原音に忠実かどうかになります。, Sはシグナル、Nはノイズのことです。電気信号に含まれるノイズの比率をdB(対数)で表す数値で、高いほどノイズが少ない。聴感上は無音のときに静けさを感じ、ごく小さな音が良く聴こえる状態で、演奏時は付帯音がなく音がクリアに聴こえます。実際のS/Nは無信号時に測定されるため、音楽を聴いたときの感想としてはS/N感がいいと表現しています。スピーカー再生の場合は、部屋のS/N、つまり暗騒音レベルも関わってきます。, ロースピードはありません! ハイスピードは比較的、最近使われるようになった言葉です。ハイスピードな音とは、立ち上がりが速く、立ち下がりも速い音です。立ち下がりという言葉が変なら、音の消え際と言ってもいいでしょう。つまり余分な響きや曖昧さがなく、実際の演奏と同じスピード感で、ハイハットを叩いたら、すばやく音が立ち上がって、スッと消えるということです。, 音の善し悪し、好き嫌いは感覚的なことなので、ニュアンスを伝えるために、ついつい長文になってしまいますね。オーディオ用語を使えば、短い言葉で音の状態を説明できます。文字数が限られている雑誌で多用される傾向があります。それには読み手がオーディオ用語を理解していることが前提なので、オーディオに興味がある人は、少しずつでもいいので覚えたほうが、文章への理解が深まります。逆に、興味のない人が読めば、専門用語が多くてマニアックな趣味と思われてしまいますね。, 音楽之友社が運営するWebマガジン「ONTOMO」のブログ。音楽/オーディオ雑誌発のこだわりの限定品や、情報を発信します。, ステレオだからセンターだけでなく、左右にも音が定位できるんですね。でも、奥行き方向とか高さ方向は無理っぽい気がしますけど……。, オーケストラが小さくなってしまうのですね。そう言えば、映画館ならぼわーんって音に包まれたり、後ろから音がして「ギャッ」てなったりしますね! それってサラウンドって言うのですよね。でも、あれはスピーカーが2本じゃなくて、たくさんあるからなのでは?, じゃあ音楽のライヴではステージは前にあって、観客の背後には楽器がないので、2chで充分なのでは…?, あ〜、それをイソウ…位相というんですね!そしたら、オントモ・ヴィレッジのオンラインショップで一番人気の, ほほぉ……なにやら奥深そうですね。ちなみに、私の好きなアニソンにも音場感はあるのでしょうか?, あ、話がわかりやすくなりました。周波数特性のグラフ、前回も出て来ましたよね。縦軸が音の大小でダイナミックレンジ。横軸が高低で周波数レンジですね。, 実際の演奏より立ち上がりが速いわけではないんですね。う〜ん、オーディオ用語ってやっぱり難解!もっと簡単に書いてほしいです〜。, マニアックですよ! 本当に敷居が高くて、変なことを質問したらめっちゃ怒られそうな雰囲気です! だから、ゴン先生、また教えてください〜。.

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